国際刑事裁判所、パレスチナにおける戦争犯罪の捜査開始へ/Boris、パレスチナ人の要請に耳を塞ぐ

12月20日、国際刑事裁判所(ICC)のベンスーダ主任検察官は、パレスチナ被占領地における戦争犯罪について、異例の長期にわたっていた予備捜査を終え、正式捜査開始に向けて管轄権の確認を裁判官に要請したことを明らかにしました。
https://www.icc-cpi.int/Pages/item.aspx?name=20191220-otp-statement-palestine

この動きに先立つ12月10日の世界人権デーには、BDS japanを含むおよそ200の国際人権団体やパレスチナ支援組織が連名でベンスーダ主任検察官に宛てて、ICCの正式捜査開始を要請していました。
https://rightsforum.org/nieuws/the-rights-forum-calls-for-broad-protest-against-passive-icc/

これは、2009年9月、国連独立調査団による「ゴールドストーン報告書」が、国連安保理に対してパレスチナ被占領地における戦争犯罪の捜査をICCに付託するよう勧告して以来、10年がかりでようやく踏み出すことのできた正義の実現に向けての第一歩ということができます。今回捜査対象となるのは、2014年7-8月のガザ攻撃以降のパレスチナ被占領地における戦争犯罪で、西岸におけるイスラエル入植地建設も含まれる見込みです。

ICCがイスラエル・米国の圧力を乗り越え、捜査に乗り出すことを可能とした国際世論を作り出す力となったのが、この10年間に大きな広がりをみせたBDS(ボイコット・資本引き上げ・制裁)運動です。イスラエルに対する不処罰の国際慣行を終わらせ、国際法にもとづいてパレスチナ問題を扱うべきというBDS運動の基本要求に多くの人々が賛同し、行動してきました。そこには、パレスチナ人への権利侵害が続く限りイスラエルで活動を行わないという姿勢を明らかにしてきた多数のアーティストも含まれます。

今回、BDS japanが呼びかけたBorisのテルアビブ公演キャンセルを要請するメッセージには予想を超え、55筆のアーティストの署名が集まりました。こうした草の根の動きすべてが、ICCによるイスラエルの戦争犯罪捜査開始を促したのだといえるでしょう。

ICCが歴史的一歩を踏み出したわずか二日後、Borisが、イスラエル外務省の支援を受けるかたちでテルアビブ公演を行ったことは、パレスチナ問題の公正な解決に向けた市民社会の努力に逆行する政治性を持たざるを得ません。Borisのメンバーおよびスタッフが、今回、パレスチナ人や彼らに連帯する人々から寄せられたメッセージを読み返し、パレスチナで現在も続くイスラエルの戦争犯罪・アパルトヘイト犯罪の深刻さに気付かれることを願います。