国内外のアーティスト50名以上がBorisのテルアビブ公演中止を要請

国内外50名以上のアーティストが、日本のロックバンド、Borisに対し、12月22日に予定しているテルアビブ公演のキャンセルを求めるメッセージに署名し、公開しました。

Borisの皆様へ

イスラエルがパレスチナ人に対する隔離・抑圧政策をやめるまで、アパルトヘイト政策下にあるテルアビブでの公演を行わないようお願いいたします。イスラエル政府は、海外のアーティストによる公演活動を、軍事占領とアパルトヘイト政策を隠蔽するために用いるというあからさまな方針を持っています。パレスチナの市民社会は、アパルトヘイト政策が続くイスラエルにおいて公演を行わないよう要請しています。彼らの呼びかけにどうか耳を傾けてください。

署名者のイトー・ターリさんは、「ロックやノイズを語るバンドがイスラエルによるアパルトヘイトに疑問を持たないのは理解しがたい。何をしに行くのか」という言葉を寄せられています。また、世界的衣装デザイナーであるワダエミのアシスタントである和田翼さんは、「Borisが、パレスチナのひとびとからの呼びかけにも耳を傾けることのできる、優れた音楽と演奏を行う楽団であって欲しいです」というメッセージを発せられています。

署名者には、元ソニックユースのサーストン・ムーアもいます。彼は、かつてレディオヘッドのイスラエル公演に抗議して次のように述べています。

もしも、人道主義に立つ活動家が自国の残虐な不正への抗議手段としてボイコットを採用し、(国外の)アーティストや学者に対し、その国が普通の国であるという印象作りを支持しているかのように活動したり、そのような宣伝に使われたりするのを避けてほしいと要請するのであれば、私はそういうことはしないという選択をします。そして、他のすべての人々にも共謀者とならないよう求めます。それは、国家主導のファシズムに対して名誉ある抵抗をしている人々に敬意を払うための、ほんの小さな犠牲に過ぎません。
https://artistsforpalestine.org.uk/2017/04/23/an-open-letter-to-radiohead/

なお、Borisが公演を予定しているテルアビブのBarby Clubは2014年のガザ大規模攻撃に際し、従軍中のイスラエル軍にロゴ入りのオリジナルTシャツを送呈し、「感謝」を表明しています( 左上写真 )。この攻撃で2200名以上のパレスチナ人が殺害されました。イスラエルの封鎖政策によりガザの復興はいまだに進んでいません。

署名は12月22日まで募集し、随時、以下の署名者のリストに追加していきます。趣旨に賛同されるアーティストの方は、和文用と英文用のお名前と肩書をbdsmovement.japan@gmail.comまでお伝えください(いずれかのみの場合は、BDS japanの方で必要に応じて英訳ないし和訳をします)。


Borisの皆様へ

イスラエルがパレスチナ人に対する隔離・抑圧政策をやめるまで、アパルトヘイト政策下にあるテルアビブでの公演を行わないようお願いいたします。イスラエル政府は、海外のアーティストによる公演活動を、軍事占領とアパルトヘイト政策を隠蔽するために用いるというあからさまな方針を持っています。パレスチナの市民社会は、アパルトヘイト政策が続くイスラエルにおいて公演を行わないよう要請しています。彼らの呼びかけにどうか耳を傾けてください。

署名(12月22日現在、55筆)

Asocial Terror Fabrication(バンド)
Bella Cuts(DJ、プロデューサー)
CCL(DJ、プロデューサー)
Ciel(DJ、プロデューサー)
Cotgrave(バンド)
Deformed Existence(バンド)
Desmond Traynor(作家、ジャーナリスト、ミュージシャン)
藤本高之(イスラーム映画祭主宰)
Hiro Kone(エレクトロニック・ミュージシャン、プロデューサー)
Hisham Bharoocha(ミュージシャン)
いちむらみさこ(アーティスト)
Ignition Block M(バンド)
井口大介(美術家)
稲垣三郎(JAALA会員)
石塚ユウ(アーティスト)
イトー・ターリ(パフォーマンスアーティスト)
岩川ありさ(作家)
kaltbruching acideath(バンド)
Kareem Samara(ミュージシャン、作曲家)
kayin(三味線ニスタ)
小林緑(国立音楽大学・名誉教授)
コリン・コバヤシ(美術家、著述業)
河野康弘(ジャズピアニスト)
近藤和子(批評家)
近藤銀河(作家)
窪田文(作家)
Layla Yamamoto(芸術家)
Luz(DJ、Room 4 Resistance共同創設者)
makki(ベーシスト)
mayumi(P-iPLE / ギタリスト)
M.A.Z.E.(バンド)
森内清敬(ダルブッカ奏者)
浪花の歌う巨人・パギやん(趙博)(ミュージシャン)
西山敦子(翻訳家、C.I.P. Books主宰)
Ohal Grietzer(作曲家、ミクストメディア・パフォーマー)
Olof Dreijer(プロデューサー)
Paula Temple(DJ、プロデューサー)
Power of Idea(バンド)
room(ミュージシャン)
Rrose(エレクトロニック・ミュージシャン)
Saitoon(FORTITUDE)
Samir Abdallah(映画監督)
Samir Eskanda(ミュージシャン)
Shahd Abusalama(ダンサー)
SOW THREAT(バンド)
Taishi Nagasaka(ミュージシャン)
Thurston Moore(ミュージシャン)
Unarm(バンド)
Via App(DJ、プロデューサー)
Violet(DJ、プロデューサー)
和田翼(ワダエミのアシスタント)
八鍬瑞子(美術家、占領に反対する芸術家たち)
YATCH(シンガーソングライター)
Yui Nagashima(画家)
Zaina Arekat(ミュージシャン)

寄せられたメッセージ

【SOW THREATさんから】

差別に加担するような事は決してやめてください。僕はBORISの音源も持っていますが、ポーズだけのロックなら、それは支持できません。

【イトー・ターリさんから】

ロックやノイズを語るバンドがイスラエルによるアパルトヘイトに疑問を持たないのは理解しがたい。何をしに行くのか。

【和田翼さんから】

楽団 Boris の皆様へ

イスラエルがパレスチナ人に対する隔離・抑圧政策をやめるまで、アパルトヘイト政策下にあるテルアビブでの公演を行わないようお願いいたします。

イスラエル政府は、海外のアーティストによる公演活動を、軍事占領とアパルトヘイト政策を隠蔽するために用いる、というあからさまな方針を持っています。

こうした力の働きというのは、音楽や演奏自体に抱えられているアーティストの身体や世界観が、常に現実の社会での出来事にも照らされうるという、それぞれが持っている社会性のキワへと向かい合わせ、そこから逃れることは出来ません。

こうした力の振る舞いというのは、政治の現実とは一見無関係な情報として使われる単語一つから計算されて、招聘する側の力を維持強化するよう制御されています。

ですから、パレスチナの市民社会は、アパルトヘイト政策が続くイスラエルにおいて、イスラエルの外ですでに価値を与えられている優れた音楽家たちが公演に参加しないよう、要請しています。

公演がイスラエルで実現することによって、イスラエルの外で認められた価値はイスラエルの印象操作にも機能し始め、その内外にゆきかいはじめます。

音楽を含む文化全体、ひいては市民社会全体でもあるパレスチナのひとびとが、イスラエルの政治的暴力によって孤立させられ抑圧され続けている現実というものを、イスラエルの内外で隠してしまうのです。

パレスチナのひとびとの孤立感をより深めさせてしまうことに繋がるだけでなく、そうした耐えきれない日々の中から、内向きの、より孤立した暴力が醸成されてしまい、本人にもはや制御できないような仕方で暴力が発動させてしまうような複雑さを、想像してみる必要があります。

優れた音楽と演奏を行う音楽家の活動や内容を否定したり妨害するというのとは、次元が異なる要請なのです。

私は Boris の音楽を楽しむ機会がまだないのですが、この極東の島国にとどまれない力を培ってきた楽団があることを今回を機に知って、聴いてみようと思いました。

Boris が、パレスチナのひとびとからの呼びかけにも耳を傾けることのできる、優れた音楽と演奏を行う楽団であって欲しいです。

2019-12-7
敬具