BORIS:12月22日のイスラエル公演キャンセルのお願い

BDS japanの有志は、ロックバンドBORISに対して、12月22日に予定しているテルアビブ公演のキャンセルを要請する手紙を送りました。彼らがパレスチナ人たちの呼びかけに耳を傾け、 イスラエルの広報外交に利用されるという倫理的リスクに気づいてくれることを願います。


Boris の皆様

初めてメールを出させていただきます。私たちは、BDS japanという市民ネットワークのメンバーです。私たちは、BDS(ボイコット、資本引揚げ、制裁)運動という国際的なパレスチナ支援運動に賛同し、イスラエルが国際法・国際的人権基準に反するパレスチナ人への抑圧政策を中止するまでという条件で、同国に対するボイコットを呼びかけています。

今回、手紙を出させていただくのは、12月22日に予定されているテル・アビブ公演のキャンセルをお願いするためです。これまでに、ニール・ヤング、ピクシーズ、ロジャー・ウォーターズ、ロード、ラナ・デル・レイ、シャキーラ、エルヴィス・コステロ、ブライアン・イーノをはじめ、多くのアーティストが、イスラエル・ボイコットの呼びかけを受けて、イスラエルでのコンサートをキャンセルしたり、楽曲の使用を拒否したりしています。
https://qetic.jp/music/lorde-171225/274613/
https://rockinon.com/news/detail/179817
https://rollingstonejapan.com/articles/detail/26615

音楽は本来、差別なく誰もが自由に楽しめるべきもので、政治的な規制を受けるべきではないと私たちは考えています。しかし、イスラエルは70年以上にわたり、建国時に追放したパレスチナ難民の帰還を認めず、50年以上にわたり軍事占領下に置いているガザと西岸のパレスチナ人の基本的人権をはく奪し続けています。テル・アビブで行われるコンサートに、周辺村落出身のパレスチナ難民が参加することができないのはもちろん、隔離壁に囲われている被占領地(西岸・ガザ)のパレスチナ人も参加することは困難です。しかし、パレスチナ人の土地に違法に建設された西岸のイスラエル入植地住民は、何の支障もなくテル・アビブのコンサートに参加できます。ガザでは最近もイスラエルの攻撃で多くの子どもを含む30名以上の住民が殺害されています。これらの系統的な人種隔離・人権侵害に対し、国連人権理事会等が繰り返し非難決議を出しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191025/k10012147771000.html

こうした国際的批判の高まりをイスラエルは無視するだけでなく、積極的に自国の国際的イメージを改善するための努力を行っています。海外の著名なアーティスト招へいを推進することも、そうした努力の中に含まれます。BDS運動に対抗するためにイスラエル外務省が立ち上げたプロパガンダ・サイト「https://4il.org.il/」では、インスタグラムを通じてBorisへの応援メッセージを伝えるキャンペーンが呼びかけられています。今回のコンサートがイスラエルの広報外交政策に利用されているということ、そして、そのことが人道危機状況に置かれながら、世界から放置されているパレスチナ人にとって持つ意味について、よく考えてほしいと切に願います。イスラエルは、BDS運動をはじめとしたイスラエル批判の動きを反ユダヤ主義であるなどと論難していますが、今、BDS運動を最も熱心に行っているグループにはユダヤ人の平和団体が多く含まれていることも併せてお伝えしたいと思います。

かつて人種隔離政策を行っていた南アフリカでの公演を多くのアーティストが拒否しました。なぜなら、彼・彼女らにとって、白人と黒人が自由かつ平等に音楽を楽しむことのできない体制下でコンサートを行うことは、アパルトヘイトに加担することを意味したからです。また、アパルトヘイト廃絶のためには国際的かつ広範な圧力を南アフリカの支配者たちにかけることが必要だと理解されたからです。そうして南アフリカのアパルトヘイト体制は廃絶されました。私たちは、こうした歴史の動きがパレスチナ問題に関しても起こるべきであるし、起こりつつある、という認識に立っています。Borisの皆さまが、パレスチナ人を差別・抑圧する体制に対し、今回のコンサートのキャンセルを通じて、非協力の態度を明確にされることを心からお願いする次第です。

2019年11月20日
BDS japan有志
長沢美沙子
奈良本英祐
役重善洋