日立製作所は違法な入植地ビジネスに関与しないでください!

株式会社日立製作所 執行役社長兼CEO 東原敏昭 様

国際法違反である「エルサレム・ライトレール」拡張工事の入札への参加中止を求める要請書

私達は、中東における公正な平和を願う市民として、貴社が、パレスチナ西岸地区で拡張工事が予定されている「エルサレム・ライトレール」(以下、JLR)の入札参加企業に含まれていることを知り、深く困惑しています。
Jerusalem light rail Green Line tender launched (International Railway Journal, April 04, 2018)

国際法違反であるイスラエル入植地を結ぶJLRは、パレスチナ人からの土地収奪や移動の自由への侵害を促進するプロジェクトとして、国際的な批判を浴びてきました。イスラエル入植地の違法性は、2004年の国際司法裁判所の勧告意見において明確にされています。
Omar Barghouti, ”Derailing Injustice: Palestinian Civil Resistance to the “Jerusalem Light Rail” (Journal of Palestine Studies 38, 2009)

2012年には、パレスチナの人権状況に関する国連特別報告者が、イスラエル入植地の建設と維持に寄与する全ての企業活動の中止を求め、そうした企業活動の一例として、フランス企業ヴェオリア社によるJLRへの投資を含めた、パレスチナ被占領地における諸活動を指摘しました。
Situation of human rights in the Palestinian territories occupied since 1967 (A/67/379)

国際的なボイコット運動に直面し、200億ドル以上とも言われる損失を出したヴェオリア社は、2015年にJLRを含めたイスラエルにおけるすべての事業から撤退しました。
BDS Marks Another Victory As Veolia Sells Off All Israeli Operations (Palestinian BDS National Committee, September 1, 2015)
Veolia closes the sale of its activities in Israel(1 APRIL 2015)

こうした動きを受け、日本の外務省は2017年7月にホームページ上で、入植地ビジネスのリスクについて、「東エルサレムを含むヨルダン川西岸におけるイスラエルの入植活動は国際法違反とされているため、それら地域に関わる経済活動(例えば、経済・金融活動、役務の提供、不動産の購入等)を行う場合は、金融上、風評上及び法的なリスクがあり得る他、そうした活動への関与が、人権侵害とされる可能性があり得ることについて、十分留意する必要がある」との警告を掲載しています。
イスラエル国(State of Israel)基礎データ:二国間関係(2.経済関係)

すでに、2014年にイスラエルの平和団体「Who Profits from the Occupation」によって、日立製の重機がイスラエル軍によってパレスチナ人の家屋破壊に用いられていることが指摘されており、それに対し、貴社は、「『ビジネスと人権に関する指導原則』の実行を通じて、人権尊重の責任を果たす」としている「日立グループ人権方針」に基づき、「将来において同様の事例が起きる可能性を減らすよう最大限の努力を継続する」と回答しています。
Concerns that Hitachi equipment has been used in home demolitions in the occupied Palestinian territory and in Israel (Business & Human Rights Resource Centre, September 2014)

しかしながら、現在も日立製の重機は家屋破壊の現場で使用されており、こうした状況に対して貴社がどのような「最大限の努力」をされてきたのかも全く明らかではありません。その上に、今回、JLRの入札への参加をするということは、上記の回答の誠実さが問われる事態であると言わなければなりません。
Ongoing construction in Israeli settlements (Ahmad Al-Bazz/Activestills.org)

現在、イスラエルは、トランプ政権による極端な親イスラエル政策の下で、ますます入植地建設のペースを加速し、入植地の併合に向けた動きを強めています。国際法違反であるイスラエルの入植活動をこれ以上放置すれば、中東地域における平和の実現は不可能となり、パレスチナ被占領地における人道的危機は制御不可能なレベルに深刻化しかねないという国際社会の懸念は現実になりつつあります。
AIDA声明「占領下パレスチナ領の危険な状態を受け、第三国の緊急行動を求める」(2018年5月9日)

この間、安倍政権は、一方で「二国家解決」にもとづく和平への努力を唱えつつ、他方で、イスラエルとの関係強化を促進し、日本企業に対しても様々な働きかけを強めています。しかしながら、この二つの方針は根本的に相矛盾するものであり、イスラエルの入植政策がもたらす深刻な法的・経済的・政治的な影響への十分な理解を踏まえない極めて場当たり的な政策であることに注意しなければなりません。日本の企業は、その時々の政府の方針に追従・忖度することなく、国連の諸決議やパレスチナの危機的現状を的確に把握した上で、長期的な視野に立って自らの企業活動に関する人権デュー・ディリジェンスの実施を進めるべきです。
以上の認識にもとづき、私達は、日立製作所が、国際法および自ら定めた人権方針を尊重し、「エルサレム・ライトレール」の入札への参加を直ちに中止することを求めます。また、日立製作所の重機がパレスチナ被占領地における家屋破壊に使われ続けていることに対して、より明確な態度表明を公的に行うなど、具体的な防止措置を取ることを求めます。

2018年5月30日

BDS japan準備会
アハリー・アラブ病院を支援する会
占領に反対する芸術家たち
パレスチナと仙台を結ぶ会
パレスチナの平和を考える会
パレスチナ勉強会・大阪
広島中東ネットワーク有志
武器輸出反対ネットワーク
フツーのLGBTをクィアする
北海道パレスチナ医療奉仕団

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